優しいバスの運転手さんと出合った時のお話

子供たちに色々な体験をさせてあげたいので、何かと色々なことにチャレンジさせています。
2人の子供はそろばん塾に通っているのですが何でも経験になればと思い、バスや電車、自転車、歩きさまざまな交通手段で通わせています。
先日のある日、そろばん教室の帰はバスに乗ろうと子供たちと約束していました。
ちょうどその日の前日もバスで帰ってきたのですが、降りる時にボタンを押すのですが、その日はおにいちゃんが押してしまったので、今日は妹が押すと朝から楽しみにしていました。
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いつものようにそろばんが終わり、娘が「今日はバスに乗ったら私が押すからね」と意気揚々とバスに乗り込みました。
乗り込んだバスは5~6名くらいの乗客が乗っていました。
ボタンを押すことだけに今日一日を生きてきた娘は、ボタンを押すことにとっても真剣でそして楽しみで、しかも命がけです。
バスに乗り込んだときから緊張している様は取ってわかるくらいの真剣そのものです。
バス停が一つ、一つ過ぎるごとに娘のボルテージも上がってきます。
私たちが降りる予定の一つ前のバス停で、停車したときからボタン手前10cmくらいの場所で、小さな手を待機しています。
この時を、一日その為だけに生きてきたのですから、真剣そのものです。
バスは一つ前のバス停で時間調整をしているようでした。なかなかバス停を出発しませんでした。
娘はボタンを押せる喜びと、まだかまだかという焦りで、「押してもいい?押してもいい?」と何度と無く私にたずねました。
バスに乗ってきてからの娘と私やお兄ちゃんのやり取りは、バスの中全体に聞きもれていました。
バスが発車してから押しなさいよと私は娘に言っていました。
その時ぼたんを押せる喜びで、いつに無く素直に「ハーイ」と言うことを聞きます。
しかし、その時まったく予期せぬ出来事が起きたのです。
まだ出発していないバスの「次止まります」ボタンがブーという音と共に一人の乗客に押されてしまったのです。
ボタンを押すためだけに、その日の生きがいとしていた娘なのですが、流石に夢が崩れて泣き出してしまいました。
私は内心押した人が誰かわかったので、文句を言いたかったのですが、子供の前でもあり大人気ないことをしてはいけないと思いとどまり、娘を慰めました。
程なくしてバスは出発して泣く娘を慰めながら明日もバスに乗ろうと説得しました。
そろそろ私たちが降りるバス停のちょっと前で信号待ちをしているときです。
車内全体に「次ぎ停まります」のボタンが消えているのです。
とっさに悟りました。運転手さんがチャンスをくれたのです。
消えているボタンを娘に見せて「ほら、押してごらん」と言うと多少躊躇しながら娘は涙を流しながらボタンを押しました。
このやり取りの一部始終を嬉しそうに大きな声でしゃべっていたのでバス車内の乗客は理解していました。
元気に大きな音と共に光ったボタンを見て嬉しそうに喜ぶ娘に、一部の乗客から拍手が起きました。
それは娘に対しての拍手もあるのでしょうが、夢の国のような希望と優しさをくれたバスの運転手さんの心遣いにバスの乗客が拍手をしたに違いありません。
本当に小さな出来事ですが、娘と息子はバスに乗っている数分間で多くのこと学びました。
バスを降りる時に感謝を述べて、子供たちも何時に無く大きな声で感謝を伝えていました。
決して悪意が在ったのではないのでしょうが、ボタンを押した人に対しての敵対心も一瞬にして薄れてしまうほどのはからいに、心から感謝しています。
それ以来京阪バスが大好きになり、京阪バスの運転手さんの優しいはからいで子供たちは「大人になったら優しい大人になりたい」と言うようになりました。
この場を借りて京阪バスの運転手さん、夢を与えてくれてありがとうございます。
ディズニーも夢を与えてくれますが、バスの中にも夢があるのだと実感しました。
優しいバスの運転手さんの粋な計らいで、娘が救われた小さな出来事でした。


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