すみえの狙い!
私たち美容師は年末になると大変忙しく動き回り、お昼ご飯を食べることが出来ないことが多々あります。しかし私くらいのベテランになりますと、ほんの少しの隙間を練って食べてしまいます。
私は元来無精者で通勤途中でコンビニに寄ってお昼ご飯を買ってくることが出来ません。
それはなぜならば、一度車に乗って仕事に出かけたら、降りることが出来ないのです。
つまりめんどくさいのです。
そして、一部のスタッフは宅配弁当を頼むのですが、11時までに頼まなければなりません。
私のお客様は午前からたっぷりとご予約を頂いております。その忙しいほんの瞬間を突いて弁当のメニューをみて何にするかを考えなければなりません。しかし私はファミレスに行っても中々メニューを決めることが出来ないどころか、注文した後に他の人が頼んだメニューがとっても食べたくなる性分のようです。そんな私が短時間で本日の弁当のメニューを決めれるわけがありません。その結果、私はコンビニに寄ることも、行くことも、宅配弁当を注文することも出出来ず、お昼ご飯にありつけない羽目に合う日がおいのであります。
それは私だけではなく、他のスタッフも同じく、いぁ多少違いますがお昼ご飯を食べたスタッフでも夕方になるとお腹がすいてくるものです。
そして、大変面白い事件が起きました。
シチュエーションはこんな感じです。↓
スタッフルームに私とすみえちゃんと2人で話していました。すみえは明らかに小腹を空かしています。小腹を空かしたすみえは多少凶暴になります。野生化すると言った方が適切かもしれません。すみえの目線の先にあるのは明らかに正門君のかばんの中からはみ出たデザートです。それは獰猛な肉食獣が虎視眈々と獲物を狙っているような、静かで気配を立てずにじーっと獲物を狙っているような、一気に食いかかるような不穏な雰囲気であることは私にも容易に感じ取ることが出来ます。
正門君のかばんの中から安易に顔を出してしまったリンゴジャムクッキは、今まさに獰猛な野獣に見つかってしまったのです。
出てこなければ見つからなかったものをついつい鞄の中では、相当退屈であったのであろう、ほんの少しの気の緩みが命の緩みになります。
これが自然界の掟であるかのように無常にしかも無慈悲に狙われて捕食されてしまうのもすでに時間の問題となっています。
明らかに美味しそうな「リンゴジャムクッキー」です。そっと私に囁きます。
そんなしょうもない、どうでもいいような会話をしながら、そのうち正門君がスタッフルームにやってきました。そしてすみえはこういったのでした。
すみえ 「正門さんリンゴジャムクッキー美味しそうですね!」
優しい正門君はこう答えました。
正門君 「どうぞどうぞ、食べていいですよ!」
いかにも正門君らしい答えが返ってきた。
そこですみえは・・・・・・・・・・・・
すみえ 「一つだけ正門君に残しといてあげるから、全部頂戴!」
きゅ、きゅ
きゅぃ~~~~~~~~ん
恐るべしすみえの野獣性が露骨でした。
セミノンフェクションのおしらせ!
「この物語はごくごく一部が歪曲もしくは誇大表現として表記しています。しかしあらまし事実です。」